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Alfafufu Special Issue Conceptcars Review Vol.2


前回のDardoがPininfarinaの最近の作品だったので、今回はBertoneの60年代の名作Caraboを中心に往年のスーパーカーブームを偲んだ品揃えです。60年代後半から70年代にかけてのコンセプトカー/プロトタイプは今見ても独特の魅力があります。

Carabo by Bertone 1968
幼少の頃一番大事にしていたMatchBoxのミニカーがこのCaraboでした。当時アルファロメオだったとは意識してなかったと思います。多分車体の裏側にもCaraboとしか書かれてなかったはず。。。
それにしても上の写真、時代を感じます。。。

60年代のコンセプトカーってイタリアンデザイン全開といった風情で近代建築みたいにモダン。子供の頃持っていたミニカーの半分はこういったコンセプトカー(残りの半分はホットロッド系)でした。それだけ普通に売ってたということですね。良い時代でした。。。ガルウィングは好きではないのですが、この車の場合普通に開いた方がかえって不自然かもしれません。
一応P33Stradaのシャーシにアルファ製2リッターV8(230HP)を積んでいるためアルファロメオ扱いですが、出来上がったものは100%ベルトーネでしかないですね。外見上はホイールに開いた無数の穴が唯一アルファロメオらしい点です。ちなみに開発期間僅か10週間で仕上げられたということです。素晴らしい。開発コンセプトは「ヨーロッパの高速道路を走るために最も相応しい車を作る」だったそうです。

この車、とにかくルーバーだらけの楔型文字みたいで理屈抜きに素晴らしい。車高はもちろん極端に低いのですがフロントもリヤもオーバーハング部分に結構な角度がついているので、意外とスーパーで立体駐車場のスロープ登ったりするのも平気かも?ベルトーネ尊敬しなくては。。。(そういえば免許取得後、最初に買おうと思ったのがベルトーネX1/9でした。当時(86年)はまだ中古屋さんに38万円とかで並んでいましたが、ぱっと見ただけでも錆ついてるのが分かる代物ばかりで断念しました。一応FIATだけど、もし入手したらアレーゼで面倒見てもらえるんだろうか???)

某コンセプトカー関連のサイトを見ていたら、このCaraboに関して多くの人が"ugly"だと書いていました。「許せないほど醜い」とか、そんな感じの反応が多くて驚きました。時代は変わったようです。スーパーカーブームという通過儀礼を経験してないからでしょうか。確かに写真によっては妙な形をしていますが。。。でもサイドウィンドウの形といい、サンダーバードに出てきそうな後ろ姿といい、やはりかっこいい。当時はこうした直線基調の楔型デザインが未来っぽかったんですね。そっちの方向へ時代が流れていたら現在街を走っている車もあんなに丸っこくなかったでしょうに。。。近頃ではショー向けのコンセプトカーですら全然かっこよくないものが多くて残念です。モーターショーも以前ほどわくわくするものではなくなってきた気がします。。。

Navajo by Bertone 1976
これは外せないですね。子供の頃はすごく好きでした。でも今見るとSF系ですね。火星でも好まれそうなデザイン。。。それでもボンネット先端のアルファマークがしっかり似合っているところがすごいと思います。リヤタイヤが半分カバーされていますが、その奥にはしっかりディープリムなホイールが見えます。しかもフロントよりも3インチは大きい感じ。コンセプトカーのサイトでは、やはり「ロボット惑星から来た車みたいで嫌」など割と評判悪いみたいですが、ベルトーネ独特の武骨感漂う逸品です。名前もいいですね。

Scighera by Giugiaro/ItalDesign 1997
リヤウィング部分の赤いアルファマークがシルバーボディに映えていい感じです。サイドウィンドウがルーフ側にくっついて開くギミックなど、97年にしては時代を感じてしまうデザインなのではないかという気も。。。この写真だとなんだかZenderのコンセプトカー風の雰囲気を感じます。

Scighera GT by Giugiaro/ItalDesign 1997
上のScigheraのGTヴァージョン。コンセプトカーにGT版まであるのもすごいですが、エアインテークの形状等、各部がより現実的な形に変更されています。赤く塗られてお約束のアルファマークが白抜きで入っていますが似合います。それなりにかっこいいですね。でもこのScigheraに限ってはGTよりもノーマル(?)の方が迫力あります。

Iguana by Giugiaro/Italdesign 1969
これランボル・マセラ・ロメオみたいな感じですね。数多い33/2ベースのプロトタイプのひとつですが、これでも多分最も市販車風?とにかく正体不明のイタリアンスーパーカーに見えますね。コンセプトカー特集に出すには地味かなと思ったのですが、かなりディープリムなアルファホイールと金属光沢なボディカラーが気に入っているので出しときます。この光沢、E46M3がデビューしたときのショーカーの色みたいで素敵です。タイヤにホワイトレター入ってるのもグッドですね。ちなみに90度V8の2リッターRRだとか。

Bella by Bertone 1999
最近のベルトーネ作品。これだけ曲線を使う時代になってもやはり武骨で硬質な感じがしてしまうところがいいですね。この車、部分的に見るとなかなかいいのですが全体を一度に見るとスタイルがかなりエグく見えてしまいます。ところでドアノブをご覧ください。156後席の隠しノブと同じ感じに見えませんか?